「なりたい自分がわからない」と悩んだら始める10分間のメソッド
「ぼんやりと目標はあるが、具体的な言葉にしようとすると、なぜか焦点が定まらない…」と悩むことはありませんか。
なりたい自分の漠然としたイメージはあるのに、どうすればなれるのか道筋がわからず、立ち尽くしてしまうことは決して珍しくはありません。
「自分がわからない」と思うことも、「自信を持ってなりたい自分を誰かに言えない」と悩むことも、自分自身の意志でなにかをしたいという衝動があってこそ起きる感情なので、悪いことではないのです。
今、自分が迷子の状態にあり、どこへ向かえばいいのかわからないことに気付いたということは、わからないまま五里霧中で進むよりずっと素晴らしい気づきです。
とはいえ、わからないことに気付いたものの、何をすればいいのかわからないままでは、かえって不安が深まってしまうことでしょう。
そこで、「なりたい自分がわからない」という人のために、朝起きた時と寝る前に10分でできる3つの習慣をお話します。
自分の中にある「なりたい自分」を見つけるための、1日10分間のメソッド
人間の思考や願望は、自分が気づいている「顕在化した願望」だけではありません。
普段は無意識・無自覚になっている潜在的な願望は、顕在意識の内側にあり、時には違う欲求の形で見えていることすらあります。
これは、食べたいと思った物の内側には、身体が足りないと感じている栄養素があり、それを意識的に知覚できない人のほうが多いことに似ています。
何が足りていないのかが分かれば、欲しいと感じたものに限らず、さまざまな手段で補給できますが、分からないままでは体が欲するまま摂取してしまいます。
なりたい自分がわからないという人は、潜在的な願望があることを認知することができていない人ともいえます。
そこで、潜在的な願望がどこにあるのかを認知するために、顕在意識からアプローチする方法を紹介していきます。
最初はうまくできないかもしれませんが、毎日続けることで次第に自分自身が見え、目標を達成するための課題が見えたり、達成した喜びを感じられるようになります。
1)自分について5分間で書き出す
「自分のことは、自分が一番良くわかっている」というわけではありません。
自分で認知を深めなければ、自分のことを自分ですらわからなくなってしまうものです。
そこで、まずは自分について書き出してみましょう。制限時間は5分間です。
これからしたいこと、昔あった出来事など、ネガティブでもポジティブでも、自分の要素だと思うものを箇条書きで書き出します。
大切なのは「まだまだもっと書きたい」と思っても、5分でやめることです。
人間の脳は神経の接続によってネットワークが構築されています。そのため、普段は意識していないことでも、一つのことから連想して次々と、思い出されます。
しかし、思いつくまま時間制限なしで書き続けると、漫然としてまとまらず、脱線してしまうのです。
5分間に制限することで、集中して「自分」について考え、書き出したことが、今認知できている自分ということです。
2)書き出したものを2分間で分類する
書き出した自分の要素を、「過去」「現在」「未来」の3つの要素に分けてみましょう。制限時間は2分です。
分類した結果、どの要素に対して「自分について」と感じるものが多いのか見ることで、自分が今、自分自身のどの部分に意識を向け、興味関心があるのかが視認できます。
これも自分の要素の書き出しと同様に、考え始めれば直感的な感覚がなくなってしまいます。
直感は無意識の中にある様々な意思決定のプロセスを経たアウトプットなので、潜在化している意識に触れるには、あまり考えすぎてはいけません。
3)分類したものを見ながら優先的に解決したいものを3分で決める
自分の中にある要素を整理して分類したら、どの要素から自分を変えたいのか決めてみましょう。制限時間は3分です。
例えば、以下のように分類した問題の、どこから手を付けたいと自分が感じているのか、これも直感的に決めます。
- 過去に原因があり、現在、課題と感じているものがある
- 現在の状況を続けることに疑問があり、将来に不安がある
- 将来的な目標のため、スキルや経験の積み上げを考えている
もっとも優先したいものが決まったら、それをもとに目標を1つだけ立てます。
複数の目標を立てても、状況は常に変化し、成長するため、直近の目標を1つ立てるのがコツです。
目標を立てたら、毎日10分間のメソッドで分析して反芻し、達成したら次の目標を立て、繰り返していきます。
どんな大きな変化も、小さな成功体験の積み重ね
10分間のメソッドを行うと、短期間で驚くほど大きく成長したり、別人のように変化する人がいます。もちろん、短期間ではあまり変化を感じられないという人もいます。
しかし、大切なのは「すぐに成果・結果が出る」ことではなく、続けることで自分の潜在意識を掘り起こし、可能性を開くことです。
大きな変化を得られた人も、あまり変化がないと感じる人も、目標を達成するたびに小さい成功体験を積み重ねているはずです。
小さなことを積み重ねていくと、いつの間にか自分の可能性が大きく開かれていることに気づく瞬間が訪れます。
以前は苦手だったことが、できるようになっている!
そんな喜びにある日、突然辿り着くのです。
このような積み重ねによる変化は、10分間のメソッドを繰り返すことで自信を取り戻し、自分自身にかけていた「自分にはできそうにない」という無意識の殻を破ったことに他なりません。
可能性と能力に気付き自信がつくことが、「なりたい自分」に変わる王道であり、最短の手段です。
自分を知るためには、繰り返し言語化して落とし込む作業が大切です。毎日朝晩の10分間のメソッドで、今の自分が「なりたい」と感じる未来に対して、どこにいるのかを確認しましょう。
同じノートに毎日書き続けることで、積み重ねたページの厚みや内容の変化を通じて、自分の変化や成長を実感できるはずです。
未達でもいい、なりたい自分に向かって目標を立ててみよう
「でも、大きな目標を立てても、達成できなかったら意味がないのでは」と不安になる人もいるかもしれません。
しかし、目標に対して、成果・結果が達していないことは、実は大きな問題ではないのです。
大切なのは、なぜそれができなかったのかということを考え、原因を分析し、自分を俯瞰する習慣を身につけることです。
この習慣を身につけるための最初のステップが、10分間のメソッドというわけです。
自分の可能性が成長していることを実感するためにも、しっかり目標を立てて、繰り返し振り返りをしながら進んでいきましょう。
「なりたい自分」は長いトンネルのようなもの
「なりたい自分」とは、そこに到達することが最終目標ではありません。「なりたい自分」がどこにいるのか、どうすればなれるのか、その気付きを得るまでの長いトンネルのようなものです。
毎日真剣に考え、模索して試行錯誤することで、ある日、唐突に「そうだったのか」という気付きに辿り着き、今まで漠然としていた「なりたい自分」や潜在的な欲求、願望が見えてくる瞬間が訪れます。 まずは一日2回、朝晩10分の習慣から始めてみましょう。