見えないものは「ないもの」?見えていないものを感じるための意識をセットしよう②
常に見えていないものの存在を意識する
では、「見えていないもの」の存在を、見えていなくても認知する力はどうすれば鍛えられるのでしょうか。
方法は非常にシンプルです。
私達は、成長過程で周囲の人達に「周りをよく見て、注意をしなさい」といわれた経験があるはずです。
それは不注意によって起きる問題に対する注意であると考えている人がほとんどでしょう。しかしこの本質は「微細緻密な物事に五感を澄まし、見えているものはもちろん、見えていないものも存在していることに意識を払いなさい」ということです。
まずは物理の世界で「周りをよく見て、注意する」力を鍛えてみましょう。
今まで見過ごしてきた細かな音、ニオイ、気配は、目に見えている物事をより微細に、緻密に補完している事がわかります。
目を閉じていても気配が分かり、なにかが起きていることがわかるでしょう。
視覚は情報を捉えるために特化していますが、時に、無駄な情報が多すぎます。
一日に数度、目を閉じ、視覚以外で自分の周囲を感じてみてください。
見えない状態でも、世界はさまざまな情報に溢れていることを感じられるのではないでしょうか。
見えていないものに対して意識して、視覚を封印しなくても情報をスムーズに認知できるようになったら、「見えていないもの」を捉える基礎的な力が習得できたと考えてよいでしょう。
「こんなことをしても心の内側を考える力はつかないのではないか?」と思うかもしれません。しかし、心と体はつながっています。
体が五感に対して敏感になることで、心に対してもより敏感に意識を向けることができるようになります。
実はこの五感を研ぎ澄ます方法は、瞑想と同じ効果があります。
自然と瞑想を自分の中に取り入れることで、自分の内側の「見えていないもの」に対しても意識を向け、認知を広げることができるのです。