食後に眠くなる理由
食事をとると眠くなることがありますね。特に、昼食後の眠気に悩まされている方は多いでしょう。これはいったいどうしてなのでしょうか。
通常、食後に血液中のブドウ糖量が上昇します。これが、よく言われる「血糖値の上昇」というもの。そうすると、血糖値を元に戻そうとして、膵臓からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖が筋肉や脂肪に吸収されます。この働きによって、血糖値の低下が引き起こされるのです。
食後の血糖値の急上昇と、それに伴う血糖値の急低下。これが、満腹時に集中できなくなる理由です。肉食動物は狩りの後に眠るという習性があるのですが、これも血糖値の急激な低下によるものなのです。
空腹のメリット
冒頭で、空腹には仕事や勉強をはかどらせる様々な効果があると述べましたが、その具体的な内容についてご紹介します。空腹であることのメリットは何なのでしょうか?
1. 記憶力が高まる
空腹のメリットの1つ目は、記憶力が高まるということ。そのカギを握るのは「グレリン」という物質です。世の中では食欲促進ホルモンとも言われているもので、私たちは胃からグレリンが分泌されることによって空腹感を感じるようになります。
グレリンは、分泌されると新しい脳細胞の成長を促進し、さらに脳細胞を老化から守る働きがあるそうです。このことは、断食をすると知力が鋭くなるということの裏付けになるのではないかともいわれています。また、ある実験によると、グレリンを投与されたマウスの脳内ではニューロン結合が増加したとみられ、学習効果、記憶テストの成績が上昇したのだそう。グレリンには、認知能力を高める効果があると言えるのです。
2. 集中力が高まる
もしかすると、読者の皆さんの中には、「空腹時にはイライラするので、とても集中などできない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし実は、空腹によるイライラは集中力を高めるのに最適なものといわれています。
というのも、動物はもともと、飢餓状態になると集中力と緊張感が高まる生き物だから。飢餓状態におかれた動物の脳の中では、「血糖値が下がっている! 獲物を捕まえろ!」という指令が出されます。それによって集中力と緊張感がもたらされるのです。
仕事や勉強にもこのような飢餓状態を導入すると、生産性を伸ばすことができます。たとえば、空腹時に「この書類を作り終えたら、ご飯を食べよう」と決めてみましょう。書類作成に集中できて仕事の効率がアップしますよ。
具体的にどうすればいいのか?
以上のように、空腹は仕事や勉強の生産性を高めるのに効果的です。とても不思議ですね、私たちはことあるごと“腹が減っては戦はできぬ”とテレビアニメやドラマ、漫画などからそう思わされていました。
私は30年以上営業という職業についています。いろいろな失敗もしてきました。ですがこの話を聞いて、“なるほど”ということがあります。「決めたい商談の前に食事をとるな」ということを管理職になってから意識していました。実際に何度も何度も通って、なかなか受注できなかったお客様に部下の同行で訪問した時に“13:30の約束だけど商談が終わってから食事をとるぞ”と宣言して商談に臨んだら見事成約!なんて経験がありました。偶然かもしれませんが事実です。
西式甲田療法の甲田光男先生が朝8:00~昼12:00は体にとってとても大切な排せつの時間だと言っていますので、できるだけ食事はとらないようにしています。
すると食事前の集中時間帯が午前中一杯続くことになります。朝食が食べられないと悩んでいるあなた!実はそれ大正解なのですよ!!びっくりですね。さあ皆さん、堂々と朝食を抜きましょう。